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  • 執筆者の写真33.VIN

想いが繋ぐ 想いを味わう ビストロ “LES ENFANTS ROUGES”の魅力



  • フレンチシェフであれば、誰もが夢見る、パリでの出店。

  • 今年10月、本誌でもお馴染みのシェフ、篠塚大が、遂に自身の想いとこだわりを詰めこんだビストロを実現させた。

  • “Les Enfants Rouges”と名付けられたこのお店は、パリのモードを牽引するオシャレ界隈マレという絶好の場所に位置し、オープン直後から、瞬く間に満員御礼の人気店となっている。


みんなのお陰ですね。本当にいろいろな人にお世話になりました。


お店探しは1年半にも及び、60軒以上もの物件を見て回ったという。不動産屋、情報誌はもちろんの事、友人や知人からの紹介など、ありとあらゆる方法を用いてパリ中を探し歩いた。

その間は、有名ビストロ「コントワール」でセカンドを務め、シェフも協力を惜しまず、いろいろな人を紹介してくれた。そんな折、運命的な出会いを果たし、この物件と遭遇。さらに半年掛けて、ようやく契約にまで持ち込んだのだ。


ビストロしか考えていませんでした。


ビストロとは、ロシア語の「Bistro(急げ)」から来ている比較的新しい言葉。レストランほど肩肘を張らず、カフェよりも背筋が伸びる、といった感じの、人々の生活を楽しく豊かにしてくれる、一番身近な食文化である。

篠塚は、星付きレストランで研修後、パリの有名ビストロ店「コントワール」、「ラミジャン」、「パピーユ」で研鑽を積んできた。この間に、ビストロの本質を肌で感じ取っていったに違いない。


楽しんで料理していますよ。旬を取り入れ、想いを形にする。


魚介と肉をマリアージュしている一品がある。クラシックなフレンチには稀に登場するが、今ではその古き良きスタイルを表現するシェフは少なくなってきた中、篠塚の創り出す料理はまさに温故知新。

懐かしい味わいの中にも、確かな新しさが感じられる。





夢のお手伝いだと思っています。この先もついてゆきます。


Les Enfants Rougesは、おしどり夫婦が二人三脚で切り盛りしている、親近感溢れるお店。姉さん女房の奥様は、フロアに立ち、彼の料理をリズム良くサービスする。彼女はこの仕事を、彼の夢の手伝いだと言って胸を張る。その想いが、きっと他の誰よりも、彼の料理を美味しくテーブルに届けているのに違いない。


ビストロって、人と人との距離が近いんですよ。


食事とは、美味しいものをただ味わうことだけではなく、その空間、その時間をも楽しむことである。食を通じて、人と人とが触れ合う…お客さまとお店の間にも一体感が生まれ、まるで家族のようなあたたかい雰囲気が作り出されていく。心も身体もリラックスしてこそ、ご馳走を楽しむことが出来るのだ。

料理とは、想いを繋ぎ、人を繋ぐ。想いは、広がり育まれ、いつしか新たな想いを創り上げるであろう。

店内の隅々にまで、この様々な想いが詰まっている。Les Enfants Rougesとは、そんな魅力溢れるビストロだ。




Les Enfants Rouges

9 rue de Beauce 75003 PARIS















Photo : Michiru NAKAYAMA

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